(……姉さん)
隣のベッドに横たわる、血の気の引いたエミーナを見る。
自分の身を省みず、命を掛けて助けに来てくれた、双子の姉を。
(……僕は)
何と言えばいいのだろう。
何を言えばいいのだろう。
(……)
今なら判る。
僕はただ、会いたかったんだ。
会って、姉である彼女と話をしたかっただけなんだ。
(でも、僕は姉に刃を向け――そして僕を庇って、傷ついた)
どう償えばいいのだろう?
どうすれば赦してくれるだろう?
そう思っているうちに、押さえつけていた頭の中の熱が、また一段と酷くなる。
「う、……っく……!」
体中が熱い。痛みとごっちゃになって、視界はゆがみ、意識が混濁していく。
あぁ。僕の身体は……もうとうに限界だったのか。
どこかにいる僕が、ベッドに横たわっている僕と、エミーナを見下ろしながら、冷静に呟く。
(姉さん……ゴメン、ね)
目頭に浮かんだ涙が零れ――僕の意識は、闇へと墜ちた。