Cross Point
Prologue...[アルキダスキモチ]



 





心の奥に仕舞いこんだ、人に言えぬ想い。
いつしかそれが重荷となり、溢れ出さないように支えるのが精一杯になっていたボクは、
眠っている間に、ある「夢」を見るようになった。


甘く、熱く――身体が溶けていくような、そんな夢。
でも……絶対に叶ってはいけない、夢。


その中でボクは、"彼"に何度も貫かれたり。
拘束されて、卑猥な格好のまま辱めを受けて犯されたり。
時には自ら身体を開いて、夢の中で"彼"を求めたこともあった。


……そんな夢を見る度に、ボクの身体は時に理性を離れて、際限無く快楽の渦へと墜ちていこうとする。


そうなりたい自分が浅ましく見えて、でも……そうなりたくて。
頭の中、グチャグチャで。
そんな自分が、想いが、嫌になりそうだった。


……そんな時、あの事件は起こった。
ボクと、ルシーダと。
そして"彼"――ウィルとを繋ぐ事になった、生涯忘れられない、一つの、事件が。