Cross Point
5th Night...[ホントウノキモチ]



 




音も聞こえず、何も見えない空間。
ただ、身体が何処かへと沈んでいく感覚だけがある。

(ボク……どうなったんだっけ?)

なにも……、何も思い出せない。

(もう……いいや。このまま、眠ろう……)

そう思った時だった。
強い思念と共に、唇のあたりに暖かい感触が触れる。

(あ……)

――生きて。
――生きて今度こそ、一緒に……!

熱くて、切ない思念。
止まっていた思考が動き出す。
そして、熱いものが流れ込んでくる。

(あぁ、暖かい……)

その感覚に引かれていくように。
ボクは……。