「だーれが百合書けって言ったああぁぁぁぁぁああっっ?!」
すぱかーんっ!!
頭の上でハリセンのいい音が響いて、あたしは端末に頭から突っ伏した。
「へぶぅっ?!
痛ててて、ページ数足りないからってなんか書けって言ったのラグネル義姉さんでしょ?!」
「えぇ、確かに言ったわよシンク。
でもね、この本は女性向けなのよ!!じょ・せ・い・む・け!!
男性向けのお話かいてどーするの!!!」
「む〜…」
「それに…あんたこれ名前の許可取ってるの?」
文中の名前のことらしい。
そりゃもちろん…
「許可もらってるわけないっしょ?(*'-')」
こんな事言ったら、エミになんて思われるか…。
う〜…リアルのあたしってば意気地無し…。
「余計悪いわ〜っ!もー、没よ没っ!
あ〜〜困った、後5ページ埋めなきゃ落ちるのよぉぉ!!orz」
あ、久々に出たラグ姉の失意体前屈。
「…自信作なのに〜」
…頭抱えてうろうろするラグネル義姉さんの様子を横目で見つつ、ふぅ、とため息を吐く。
いつか、あの子の背中を守れるテクターになりたい。
もし、もし、そうなれたら…。こんなカンケイになれたらいいなぁ…。
そんな事に想いを馳せつつ、あたしは新しいファイル作成を始めたのだった。
「っくしゅっ?!」
「あれエミ姉、風邪?」
「ん゛〜…なんか今、背中にキョーレツな寒気が…(汗」
E N D ?