![]() :XDay -30 "アルキダスキモチ" |
||
Cross Point
|
「もう、まーたご主人そんな格好で〜」 頬を掻きつつ、荷物を両腕に抱えた中華風の衣装に身を包んだ、小柄な少女型マシナリの相棒が持つ荷物をひょい、とボクは抱えあげた。 「ちょっ、ご主人っ!す、透けっ…!?」 顔を赤くして硬直する彼女−GH422、通称Fhig−の脇を通り抜けて、奥の部屋へと歩いていく。 「ただいにゃー」 後から入ってきた二人は、展開に慣れっこだと言わんばかりに、フィグに苦笑い。 「フィグニャ、エミニャのパートナになって何年にゃ…。 テーブルの上に持っていた袋−食材やらなにやら−を置いたボクは、苦笑しながら後の二人ールームメイトのニューマンの少女、ノラネコとその相棒のGH410の"チィ"に言い返した。 ついこの間起こった、ガーディアンズ・コロニーが文字通り"落ちる"大惨事があってから、惑星間警備会社"ガーディアンズ"は装備が足りない状況に陥っている。 ボクは入隊前から親交のあった、旧友のノラと一緒にさせてもらえたので、こうして気を使わずに過ごせているわけだが…。 「ノラ達にゃからいいけど。 やっぱり苦言を言われてしまった。 「その時は…相手をはり倒すまでさ。 反省、しつつ…。
今夜の調理当番はノラだったのだが。 「これ、ノラが捌いたの?」 誉めてもらったのが嬉しいのか、にっこりと微笑むチィ。 「ささ、冷めない内にみんなで食べるにゃ♪」 食べはじめて暫く、唐突にノラが聞いてきた。 「エミニャ、最近…調子悪いのかにゃ?」 ノラらしい唐突な指摘に動揺して…でも反射的にそれを隠して強がってしまう。 「にゃ、それにゃら、いいけど…。 肯定することも否定することもできず、ボクは苦笑を顔に張り付けて硬直する。 「…ありがとう」 そう言い返すのが精一杯だった。 "ありがとう"。 それは感謝の言葉。 「ノラは…」 それを問う勇気もなくて。
|