パルム中心街を抜け、更に臨海地区へ。
ローゼノム・シティへと繋がる、臨海部ループラインの海上ハイウェイをエア・バイクでひた走る。
今までずっと鬱々とした気分だったからか、久々に全身で強く受ける風が心地よく感じる。
(お前の道を―お前の手で、見つけてこい)
走りつつ、"店長"の言葉を思い出す。
――自分の道とは、なんだろう?相変わらず、僕の中で答えは出ない。
「……」
守りたいものが無い。
生きる意味が持てない。
そんな僕に、自分の道なんて見つけられるのだろうか?
「……」
答えを求める為に、自分を犠牲にするのか?
――違う。
答えを求める為に、アイツを殺めるのか?
――それも、また違う気がする。
「……」
僕と瓜二つで……だけど別々の人生を歩んできたアイツ。
初めて見たとき感じたのは、気持ちの悪さと……嫉妬だった。
やがてそれは胸の中に蟠る淀みとなり。
(そして今感じている"コレ"は……一体なんだろう?)
答えが出ないまま、僕はローゼノム・シティへと分岐するランプを身体全体をバンクさせながらフルスロットルで駆け抜け、廃墟の中へと突進していく。