4th Chapter ツイン・ジーン
Cross Point









指定場所に到着し、辺りを見回す。
手元の端末腕環を起動してレーダーを確認し、周囲に危害を及ぼすものが無い事を確認。
ふと時計を見ると、30分以上も前だった。

(……少し、早く到着しすぎたか)

まぁ、遅れるよりはいい。こちらはじっくり作戦を立てられる。
ルートの確認、装備の確認、デリートの仕方。
あれこれ考えているうちに、あっという間に時間は過ぎて。

(ぁ……)

こちらを見つけたか、エミーナ・ハーヅウェルが立ち止まる。
ちょっとほっとした様な、懐かしいものを見るような。そんな表情で、こちらを見つめてくる。
何かをぐっとこらえる仕草をして、こちらへ歩いてきたアイツは到着連絡をする。

「……、機動警備部3課4班班長、エミーナ・ハーヅウェルです。 協力要請を受理しました」
「貴女は都市部での戦闘経験が豊富だと聞く、それを今回の任務にぜひ助力いただきたい。
 あの事故以来、どこからか様々な生物が……ここに流入しているようなのでな……」

ふと、周囲を見回す。
何か、こちらへと向けられた殺気のような物を一瞬感じ取った気がしたのだが……。
気のせいか。

「行こう」
「了解」

資料に寄れば、コイツはニューマンにしては珍しくテクニックを殆ど使わずに前線へと赴く変わり者らしい。

(出会い方が違えば、もしかすると好敵手になれたのかもしれないな……)

口頭で平然と嘘をつきつつ……そう思うと、少し悲しくなった。
現在位置と大体の経路を二人で確認して情報交換し、その上で僕達はゴーストタウンと化した廃墟の街へ、一歩を踏み出した。











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