暗い。
研究所だろうか。数人の男達がモニターを見つめている。
モニターに映し出されているのは…歳の頃は12、3歳だろうか?
耳が長いところを見るとニューマンだろう。翠色の髪を持つ全裸の少女だ。
成長が速いニューマンだけに、もう少し若いのかもしれない。
虚ろな蒼い瞳で、安置されたベットのような物に手枷と足枷を付けられて横たわったまま、天井を見続けている。
身動き一つしない。
一目見るだけでは生きているのか死んでいるのか、判別がつかないだろう。
彼女が生きている事を示すものは、胸のふくらみの微かな上下動と、部屋に響く心電図のパルス音だけだ。
「E-89の部位の活性度は?」
「約60%程度です」
「それでは限界深度にさらに2ポイント近づけてみろ」
「了解です。しかし主任、このままでは素体が持たない可能性が…」
「実験対象の代わりはいるのだ。君が心配する事ではない」
「は、はい。すみませんでした」
そう言って彼は手元のキーを叩く。
『限界深度へ2ポイント分プラスします』
無機質な声が流れ、そして。
少女に異変が起こる。
「ぅああぁっ?!うふああぅっ??ああぅああぁっっ!!!」
身体を弓なりに反らせ、手足を突っ張らせ、鎖の音を響かせながら激しく「何か」に反応する。
少女の喘ぎとも、悲鳴ともつかない「叫び」は、ガラス張りの部屋に響き続けた……。
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