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「「「プロジェクト・リブート?」」」 「おう。上層部からのオーダーだなー。こないだの事件でおまいらも上層部、というか本部自体信用しなくなったろ? でもこのままじゃ士気の低下がヤバイっていうんで」 「士気向上のため、今までの機密をオープンにしてクリーンな組織に変え、且つアークスを再定義する、そういうことね」 ヨシオさんの言葉を継いだのはマリさんだ。ホロヴィジョンで手元の資料を確認している。 しかし、僕は機密の内容を読む前から知っていた。
これまでのアークスは、数十年に渡りアイツの傀儡だったのだ。 もちろん、そんな行為をさせていたのはルーサーだけで、本部はそこまで腐ってはいなかった。
パーティチャットを通してオタさんからの質問。 『事実を書いてなかったら、それまでっていうことだよ』 エミナさんがバッサリ切る。そう、機密を開示すると言いながら事実でないなら信用に値するわけがない。 『でも、これウルクちゃんが書いてるんじゃないですか? だったら信用できますよ!』 隣を見ると、枯葉さんが自信ありげな顔で頷いている。"だってウルクちゃん良い子ですもん!"って顔だ。 『読めばわかるさ』『せやな』『うん、そうだね』
チームの半数がモノリスに接触していたので、かなりスムーズに「この計画を皆で成功させようぜ!」のノリとなった。 議論が再燃したのはつくねが発した次の質問からだった。 「で。どうすればよいのじゃ、これ?」 「アークスが何なのか再定義する、ねえ……」「今までの任務をまとめる?」「アークスたちにインタビューしよう!」 次々に出される意見。 「どうせならルーサーの野郎にも話聞きたいぜ。最初から俺たちを利用するだけだったのか? それとも途中で欲だしちまったのか?ってな」 ちなみに言ったのはメルさんである。 何せ、皆疲れ果てていたからだ。 「寝落ちしそうな奴もいるし、今回はこれで解散としようか。次の集会までにはいろいろと決めるからなー」 ボスの言葉に頷いて、僕らはテレポーターを通してそれぞれの家:マイルームに戻っていく。 おっと、そうだ。忘れるところだった。帰りがけのみづきさんに声をかける。 「みづきさーん!」 「ん? ごろーちゃん、どうしたの?」 「さっきの探索で僕のマグが機能不全なんだ。みづきさんそういうのも治せる?」 仮随一のクラフターとはいえ流石にマグは無理だろう、と思いながらも駄目元で聞いてみる。 「ん、できるよ」 流石のクラフターだった。 「ただ、いいんちょうから先に一つ作業受けてるから、それやりながらでもいいかな?」 「もちろん構わないさ」 横を見るといいんちょうがやってきていた。 「早くしないとクーナの時間が来ちゃうから! 早くするんだ! どうなってもしらんぞー!!」 ああ、駄目な時のいいんちょうだ。 時間を確認すると23:30。どうやら、みづきさんの家で時報を生で聞く羽目になりそうだ。
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