Cross Point



 

○月△日
ご主人が寝てる間に、部屋を飛び出して頭を冷やしてみた。
ご主人の寝顔を見てると…その、なんか落ち着かなくなってさ。

パートナマシナリーはガーディアンズのおまけみたいに思われることも多いけど、オレらにも自由意思ってもんはある。限定つきではあるが、一応人権も認められてるしな。
だから、ご主人が寝てる間なら自由行動したって怒られない…はず…だといいな…。

と、深夜のコロニー広場で噴水の淵に腰掛けてとりとめもないことを考えていると。

「あら、あなたってエミーナのマシナリさん?」

いきなり間近で声を掛けられた。
かーっ、これだけ近寄られて反応できないって…オレ、いよいよもって故障かぁ…?(汗
短めの銀髪、猫のような紫色の瞳に色黒の滑らかな肌。
時刻はとっくに深夜帯、そこに不意に現れたそんな彼女は…果たして天使か悪魔か。

「アハハ…そんなに警戒しないで。
 あたしはあのコの友人。シンクって名前、聞いたことない?」

そいえば、そんな名前を聞いたことがある。
ご主人が少々苦笑混じりに話していた友人の名前にいたはずだ。

手持ち無沙汰だったのもあり、そのシンクと色々と話をすることにした。
話しやすい相手だったのか(相手が女性だってこともあるんだろうが)、オレは洗いざらい今の状況を話してしまっていた。
今思えば頭っから冷却水が蒸発しちまいそうな話だ。
聞き終えて、彼女はちょっと悔しそうに一言。

「そっか、Fhigもエミに恋しちゃったんだね…。 またライバル一人、確定かぁ…」

ライバル?
オレは…ご主人に愛されたいのかな…?それって、恋心ってことなんだろうか。
オレ、どうしたらいいんだろう…?

「素直になることが一番じゃないかな?」

素直、か…。