Cross Point



 


「はぁ…よーやく今日も終わったぁ…」

夜遅くまで作業していたボクは、自分の部屋に帰ってくるなりベッドに倒れこんだ。
ん〜、眠気が…限…界…ぃ…。

「ご主人ー、寝るなら風呂入ってからにしろよー?」
「んむ〜…」

ボクらが住むガーディアンズコロニーのメインシャフトが、惑星パルムへ文字通り「落ちた」という前代未聞の事件からはや数ヶ月。

いろいろあって、民間警備会社「ガーディアンズ」という組織はバラバラになってしまったものの、とりあえず各地に残っている支部を拠点として活動を再開した。
被害の中心となった惑星パルムのガーディアンズ支部も例外ではなく、大きな被害を受けたローゼノム・シティの調査、探索が開始されている。
それにボクも今日同行してきたんだけど…。
まぁ、ここら辺はとやかくは言わない。
いつもやってたことだもの。

問題はお給料がかーなーりー減っちゃったこと。
ガーディアンズ隊員のボクも、非常勤講師兼ガーディアンズをやってるウィルも頑張ってるんだけど、二人分食べていくにはちょっと厳しくて、自活するのが精一杯な状況。

最近、ウィルと全然会えてない…。
お互い忙しいからなぁ…分かってはいるんだけどさ。
たまには二人でどこか遊びに行って、それから――。

「ご主人っってばっ!!……しゅわ〜っち!」

とたたっ…ぼすんっ!!

「ふんぎゃっ?!」

頭に柔らかいようで締まった暖かい感触、鈍い音、目から火花、変な声…。
あ、コレボクの声か(汗

「疲れてるのは分かるけどさ、 寝る前に風呂入っとけって、な?
 後でノラねーちゃんも来るんだろー? 」

ボクの後頭部にボッガ・ダンガの3段目(お尻から着地するアレだ)をシッカリ決めてから、心配そうにちょこんと枕元に座ったこの子はボクの相棒、パートナマシナリのFhig。
GH422に進化させてからやたら男勝りになっちゃって…誰に似たんだろね?

「あいたた…そうだった…。
 でもさ、もー少し優しい起こし方もあるでしょー?頭がカチ割れちゃったらどーするのさ…」
「や、ちゃんと素手で手加減してるし。
 それに、オレのお尻ならそんなに硬くないだろ?」
「…誰と比較して言ってるのかなぁ、この口はぁ!(怒」
「いひゃひゃひゃひゃ、ほめんふぁふぁい〜〜(泣」

まぁ、Fhigの言ってることも一理あると納得してしまう自分にヘコみつつ、キッチリ仕返ししたボクは、頭に出来たたんこぶをさすりつつお風呂場へと向かった。