3rd Chapter. 痛みの先にあるモノ
Cross Point







それから数日を掛けて、僕はあいつを屠る場所を探す為各地を視察する事にした。
"Lunatic"の中で鬱屈としたままでは周囲の視線というのもあったし、何より僕が耐えられなくて、なにより――下見を怠らず、そして揺らぎ無き基盤を整えて事にあたる――"店長"の教えを思い出し、基本に立ち返ろうと考えたのだ。
まず、一番死角が多いと踏んでいた、ガーディアンズ本部のあるガーディアンズコロニー・クライズシティを重点的に見て回ったのだが……。

(なるほど……"店長"の言っている事は的確だ。 こんなところにまで監視カメラが……)

普段誰も通らぬであろう、ガーディアンズコロニーの廃棄区画にすら、最近新しく設置されたらしい生きているカメラがあった。
今まさに復興作業中のガーディアンズコロニーは、いつの間にか同時に今まで穴となっていた区画にも監視の手を伸ばそうとしていたのだ。

(やはり、前回狙撃を失敗したのが尾を引いているか……くそっ)

カメラの位置と死角を端末腕環の情報と逐一照らし合わせ、確認しながら慎重に進んでいく。
ヘタを打てば顔を抑えられてアウト。 それだけでなく――。

(赤外線のビームセンサまで……?!)

自前のサングラスに備え付けられた赤外線センサーを付けて見えていたからいいものの、知らずに突っ込めば途端に警報を鳴らしてしまっていただろう。

(これじゃ流石に人知れず罠をセットしたり襲ったりするのには分が悪いな……)

道半ばまで進んだところでこれ以上の探索は無意味と判断し、僕は来た道を引き返す事にした。









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