4th Chapter ツイン・ジーン
Cross Point







■Owner Side.

「関西風?ふざけるな!!讃岐は日本の魂だァァ!!!」
「ひぇっ?!」

この大将の初来店客に対する"決意表明"、気合が入ってるのは良いんだが、毎度思うが何とかならんもんだろうか。味は良いのに、これのせいでよっぽどハマり込んだ客――俺みたいな奴の事だ――以外寄り付かねぇんだよなぁ、この店。だからこそ俺みたいな札付きでも安心して食えるんだが。
傍らの嬢ちゃんを見てみれば……案の定、見事に竦み上ってやがる。

「まぁまぁ大将。いつもの二つで頼まぁ」
「サヌキウドン2丁入りまーっ!!」

目を白黒させて慌てる嬢ちゃんを見て、どことなくティルの面影を見て苦笑い。
やっぱ似てやがるなぁ。

「ちとここの大将は変わり者でなぁ。ま、味は折り紙つきだから安心してくれ」
「そ、そうですか……」

もごもごと何事か嬢ちゃんが呟く間に、大将渾身のサヌキウドンが2つ、湯気を立ててカウンターに置かれた。

「サヌキウドン2丁おまちぃ!」
「サヌキウドンってなぁな、アツアツを一気に食ってこそだ。冷めちまったら台無しだぜ?」
「……はぃ、いただきます」











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