Final Chapter. ソシテ、ボクラガノゾムコト
Cross Point











■Yoshio.Side

「まったく、協力してくれるんなら最初から言ってくれりゃよぉ……」

整備待ち 、整備済みの機体が整然と並び、その間を整備班員が道具やら部品やら持ちながら走り回っているドックへと足を踏み入れ、内部ゲート前でコーキンが持ってきたという機体を待ちつつ、俺はブツブツと溢した。
大の男が愚痴を言うもんでもないんだが、今回ばっかりはなぁ。

「ベルナドット隊長があそこまで仰ったのですし、情報部や統合調査部が動いていても当然だと思ってましたが……"ボス"の野生の勘は働かなかったのです?」
「アタイ子だって勘なんじゃねぇか!同じじゃねぇか!?あと野生は余計だ婦女子のくせに!」
「わ、私のはマコ姐との色々な憶測と推察の上って奴ですー!それに私は美しいものが平等に好きなだけですっ!」
『……物は言い様だよな、全く。ヨチオはいつもこんな扱いなのか?』

うちのヤマアラシ隊長の要請で来たというコーキンが同情してくれたが、まぁいつも通りの言葉のデッドボールって奴だ。
……なんか違うか?
まぁ女には口喧嘩じゃ勝てネェのは自明の理、早々に切り上げる事にする。

「まあ、おおよそいつも通りよ。それよりマコとコーキンは何もって来たの?」
『ま、これを見てから感想は言って欲しいもんだなっと、マコゥ、外部気圧は?』
『機体外部気圧0.8。そろそろ内扉開くから気圧差の耳ツンに注意しなよ〜』

大きな耐圧扉が開くと、空気の流れと共に青黒くてやたら先鋭的な機体がエレベータに乗っかって出てきた。
おいおい、こりゃぁ……。

「す、凄く、大きいです!」
『……あーはいはい、言うと思った……』

そこに鎮座していたのは、新型の小型強襲輸送艇。
輸送艇のカテゴリではあるが、実質その性能は電子戦――外部からの強制ハッキングやら電子欺瞞やら――すら可能な超高性能機。同盟軍が一部導入を始めたばっかっていう最新鋭機じゃねぇか!

「どーよ?ふんだくってくるの結構苦労したんだぜ?」
「こんなの何処から拾ってきたのですか?!」
『そこは流石に企業秘密って事にしといてくれ。とあるコネから借りてきたから、なるだけ壊さないでくれよ?』

アタイ子の質問に、コーキンは苦笑して返す。
だがそりゃ、エミりャんが無事なら、の話だ。

「時と場合によるな。何しろ人命が掛かってるかもしれん、悠長なことは言ってられないぜ」
『分かってる、その辺の事もあらかじめ織り込み済みだ。救出の方は、頼む

「任しとけって!」
『おら光鬼!悠長に喋ってねぇでとっとと機体をハンガー位置に回しやがれ!手空きの奴は機材の搬入と燃料補給だ!急げ!』
















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