「……あぁ、分かった。
お前を……俺以外の事が考えられないようにしてやる。……覚悟しろよ?」
「ぁ……ぅんっ、あぁんっ!!」
ファニエスを腕に残して、半ば拘束されたような格好のまま、胸元に、鎖骨に、首に……舌で愛撫され、強く吸われ。
ショートパンツの奥、熱く潤んだそこへと直接彼の手が伸び、時に優しく、時に激しく動かされて。
その一つ一つに反応して……さざなみのように押し寄せる快楽の波に浚われて。
何にも考えられず、躰を戦慄かせて、時に小さく痙攣して、ボクはどんどん、堕ちて行く。
「ひゃ……ぁ」
ベッドへ座らされて、その勢いでショートパンツも下ろされてしまう。
「……洪水、だな?」
「……くぅ……ん」
彼の、言葉どおりだった。其処は、糸を引くくらいにトロトロに溶けていて。
彼の物言いに反論したくて、でも出来なくて。……もっと、もっと欲しくて。
結局、ボクは甘えた鼻声で応えてしまう。
漏らしてしまったかのように濡れているそこを、彼がそっと嘗め取っていく。
丁寧に、丁寧に。
「ゃ……だめぇ……」
「そんな顔してちゃ、そういう風には見えないな」
「ひぃ……ぅんっ」
時々、奥へ探りを入れるかのように割り込んでくる。その感覚が……堪らない。
自由にならない両手をウィルの頭に添えたまま、ガクガクと震えてボクはまた、昇り詰めていく。
「また……イッ……ちゃ……」
言った瞬間、硬くなった所を吸われ、今度は目の前が完全に真っ白になる。
「い、ぁ……――――――っ!!」
躰を限界まで仰け反らせて、ボクは今まで感じたことのない大きな波に飲み込まれていた。
キモチイイ。
呼吸が出来ない。
キモチイイ。
苦しい。
全く逆の感覚が交じり合い、高い、高いところへと意識が吹き飛ばされる。
「ぁ……か、は……っ!?」
「エミーナ……」
呼ばれ、気がつくと……ボクはなにも身につけないまま、ウィルにもたれかかって余韻に震えていた。
気持ちよすぎて、一瞬気を失ってたみたい。
「……いい、か?」
「ん……」
二度目の確認。
ボクは、ベッドに寝転がってなにもかもさらけ出して、ウィルを待つ。
いつも、いつでも気遣ってくれて。
ずっと、ずぅっと、一緒にいてくれた。
想い合ってもいいとも言ってくれた。
嬉しくて、うれしくて。不意に、涙が零れる。
「怖いか、エミ?」
涙を拭ってくれる、暖かくて大きな手をそっと両手で握って。
ボクは精一杯の笑顔で微笑む。
「……違うよ。嬉しいんだ。
だから……来てよ、ウィル。
ボクに……消えない傷をつけて欲しい……ね、お願い……」
彼は、一つ頷いて。
熱くて、堅いものが近づき、触れ。
ゆっくりと割入って。
打ち込まれていく。
「くぁ、……ぁっ!?あ゛、あぁああっ!!」
熱い。
火傷しそうな熱さと痛み。でもそれ以上に――。
「んぎっ……ぐぅ…ん……っ、あぎぃっ、あ、あああっ!!!!」
充足感……そう、充足感。
体温が混じりあい、そこから何もかも溶けていきそうな。
「ふぁ……あ゛っ、が、はぁっ、はぁっ……」
「全部、入った、ぞ」
短い呼吸を繰り返し、なんとか圧迫感に耐えようとする。
でも、彼はそれに耐える時間すら与えてはくれない。
「ぇ……ああぁぁっ?!」
「くっ、わりぃ……限界、だ……ッ!!」
「は、激し……あぁっ、ぎっ、ああああああ!!」
いきなり動かれて、ボクの意識は途端に散り散りになる。
最初は痛みで、それはやがて徐々に熱さへと変わり。
やがて――。
「イ、クぞ……エミっ!!」
「きて……うぃる……うぃる……ッ!」
どくんっ!
「!!!!っ……ぅ、ぁ……あ」
ウィルの熱いのが、ボクの中で解き放たれて。熱いものが中で染み、広がっていく感覚に。
自分でする時の何倍もの快楽が押し寄せて、目の前がチカチカして。
やがて、それは下腹部で爆発して、脳髄を直撃する。
……文字通り、快楽という爆弾の爆発だった。
「……ぅぁぁああぅあぁっ!!!!」
いっしゅんで、あたまのなか、まっしろになって。
ぜんぶ、ふきとんで。なんにも、かんがえられなくなる。
わかるのは、ふたりのカラダのあつさと、ぜんしんでかんじる、とけあっていくこうふくかん。
「……とけ、る……なか、どろどろで……とけちゃうぅ……」
「エミーナ……」
「うぃ…る……ん、ぅ……ちゅ」
(ぼく、いま……しあわせ。
すっごく、しあわせ……だよぉ……)
貫かれたままで、熱いウィルの身体に凭れてキスを交わす。
余韻と言うには大きすぎる波に翻弄され続けて。
わずかに残った意識を保つことすらできなくなったボクは…真っ白な世界に飲み込まれていった。
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