「ウィル…兄」
「ん?」
「ごめん、ね」
「…気にするな。俺はもう気にしない」
ボクは、応える代わりに、
「ん…」
身を捩り、熱い躰を密着させて…一つ吐息を漏らす。
「…いいか?」
「うん」
何を、なんて無粋な言葉は…もういらなかった。
ウィルがボクの背を抱きながら、キスしてくる。
最初は浅く、啄むように。
そしてそれは次第に深く、お互いがお互いを貪るような、濃厚なものになっていく。
「ふは…んふ…ぅ」
時折離れては、また深く唇で交わる。
キスしてるだけ、なのに。
躰のあちこちで、ボクすら知らないスイッチがONになっていく感覚がある。
なんで、こんなに…
「つらかったか?」
いつの間にか浮かんでいた涙を拭ってくれたウィルが、ちょっとすまなそうに言ってくる。
むしろ、逆。
気持ちよすぎて、溶けてしまいそうだったから。
だから、行動で応える。
もう一度、今度はボクからウィルにキス。
「んむぅ、ぅん…!」
気持ちいい…よぉ。
それだけで躰の芯が熱くなって…理性が麻痺していく。
知らず、ボクの右腕が…いつの間にかボクの下腹部の更に下へと進んで…潜り込んでいく。
「ん…ひぅ…」
敏感な場所に指が触れて広がっていく波に、躰は歓喜の戦慄きを返す。
何でだろう…足りない。
普段より数倍もキモチイイはずなのに。
足りてるのに、全然足りない。
もっと、もっと欲しい。
ウィルを…もっと感じたいよ。
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