「元気そうね」
「えぇ、おかげさまで。ケイさんの方はどうです?」
「ボチボチってところかしらね。お陰で一つ、肩の荷がおりそうよ」
散々ボクをからかって帰っていった光鬼を見送って数分後。
まるで計ったかの如くタイミングで、ケイさんがやってきた。
―おそらく、彼がタイミングを計ったんだろうけど。
『あー、それとだな。
俺ら情報部と統合調査部の動き、暫く注意しといた方がいいぞ。
上の方は"ブレイン・リーダー"まで導入して、かなり手荒なやり方であの子から情報吸い出そうとしてやがるらしい…』
そろそろ帰るわ、と言う光鬼が部屋の出がけに呟いた言葉。
それに嘘はないと思う、思いたい。
出会った頃から彼は女性にだけは常に気を掛け、優しかったのだから。…軽かったけどサ。
『俺は、例えそれが有利に働く情報だとしても、女性の光を失わせてまで欲しくはねぇし。
んな姿、見たくもねぇからな…しっかり護ってやれ』
その言葉を信じて、なけなしの勇気を力に変えて。
ボクは意を決して口を開いた。
|