(ぁ…れ…)
また、瞬間的に気を失ってたみたいだ。
気づいた時には、力の抜けたふにゃふにゃのボクの身体は、ウィルに抱きしめられていて。
そのままで、低く、優しく、語り掛けられた。
「もっと…キモチヨクしてやる。
…エミのイク顔、もっと、俺に見せてくれ」
その言葉に、躰がぞくん、と疼く。
モットキモチヨクシテホシイ…モットオボレサセテホシイ…そんな思いがボクの中で渦巻くけれど。
でも…。
「だめ…だよ…ぅ。
うぃるも、キモチヨクならなきゃ、ダメ…ぇ」
そう、ボクばっかりじゃ、不公平だもん、ね。
ふわふわする身体でソファーから降りて、ウィルの膝元にしゃがみ込んで…服を脱ぎ、上半身を外気に晒す。
(は…気持ち…い)
酔って躰が火照ってたから、これ位で丁度いいや。
胸元の奇妙な開放感を味わうと同時に、興奮も高まって…。
それは理性を侵食し、ボクは…"男"を求める、"女"になっていく。
「ここが、ボクを…はぁ、んっ…
メチャクチャにして、くれるんだよね…?」
言いつつ、そこにそっと触れる。
「え、エミ…」
恥ずかしいけど…止めようって気にはならなかった。止められ、なかった。
自分が、こんなエッチな娘だとは思ってもみなかったけど…。
こんな気分になるのは…全部、ウィルの…せいなんだから。
「…する、ね」
チャックを下げて、そこへ右手で直接触れる。
(すご…熱い…)
「…くっ」
彼の小さな呻きと一緒に右手から逃げ出そうとした脈打つそれを、両手で包み込む。
(ふふ…逃げちゃ、だめだよ…もぅ)
熱さと、なにより今、この雰囲気に。
メロメロに酔ってしまったボクは、躰にたまった熱さを吐き出すようにため息を吐き。
そのまま、ソフトクリームを嘗めとるように、そっと舌をそこへと這わせてみた。
(舌…火傷、しそ…っ)
柔らかいようで、堅い感触…苦いような、しょっぱいような、変な味だ。
「ん…ちゅ…、ぅん」
「エミ…っ」
まるで魅入られたかの様に、いつの間にかその行為に夢中になっていたボクを、ウィルの声が現実に引き戻す。
「ッ、出す、ぞ…!」
「ぇ…ひゃぅんっ?!」
ボクの顔に、肩に、胸に、降り懸かる彼の精。
そのニオイに、熱さに…ボクは躰を震わせ、呆然となる。
熱さを感じる度に、ニオイを吸い込む度に―
躰の奥ががキューッと熱くなり、トロトロと溶け出して…彼を求め、疼きだす。
「無理、すんなよ…?」
「んは…っ、…ぁふ…びっく…り、…んッ…しひゃ、だ…ひぇ…だよ…ぉ?」
拭ってくれるウィルの指が顔に触れるだけでも、今のボクには十分な刺激で。
知らず、躰がふらふらと反応してしまう。
「ぁ…はぁ、ぅ…」
「俺も、そろそろ我慢の限界…だ」
低い声で、ウィルが言う。
…普段見せない、獲物を狙う鋭い瞳で。
「んはっ?!…ぁ、おぁ…ふ」
急に胸を揉まれ、びっくりしても…驚いたのは一瞬で。
すぐにボクは、深く深くキスされながら、躰をウィルに預けて、喘ぐ事しか出来なくなる。
躰が熱くて。
鋭い視線に、間近で貫かれて。
ボク…ココロも、カラダも。
…全部、ぜんぶ。トロトロに、とけて…く。
「ん…ぁ、手…ぇ、えっちぃ、よぅ」
「エミだって、十分エロいぞ?
こんなに…エッチな娘だなんて思わなかったよ」
ボクも、彼も。
身も、心も、全てを曝け出して―。
「…キミの、前だけ…。特別、だもん」
「嬉しい事言ってくれるな」
「 …一緒に、キモチヨク、なろ?」
「あぁ。言われずとも、そうするさ」
「ぁ…ふぁあっ!…ひぅっ!!」
熱くて硬い物が、ボクの一番敏感なところに触れて、擦り付けられた。
それだけで、ボクは言葉にならない嬌声を挙げて、電撃のような快楽が体の中を滅茶苦茶に駆け巡る。
体中が敏感になっていて、どこを触られてもキモチイイよぅ…。
「ぁう…ぅんっ!はぁあっ…はぁ」
「入れるぞ?」
「ぅ…あ…はぁぁあぁあっっ!!」
割り込んで、貫かれる。
前と違って、痛みをあまり感じないまま、ボクの奥へ、奥へと熱いモノが打ち込まれ。
その感覚に、ボクは意識が飛びそうになる程感じてしまっていた。
(…ナンデ、コンナニキモチイイノ…?)
「ひ…ぅ…かは…ぁ、あっあっ、あーっ!」
「っく、前より具合良くなってやがる…っ!」
躰全体を揺さぶり、髪を振り乱し、汗を飛び散らせて。
ボクらは、愛し合っていく…。
そして…どの位そうしていたのか。
いつの間にか、ボクはウィルの上に跨る姿勢で抱きしめられていて。
「コレぇっ、イィッ…奥、ぅ、あた…って!!」
こつこつとカラダの奥をノックされて、響いて、何倍にも増幅されて…訳が分かんなくなる。
頭の中、真っ白。
もう何も、考えられないよ…。
「ぼくっ…!飛んでっちゃう…飛んじゃうよぉぉっ!」
ぎゅって、して。
ボクがどこにも行かないように。離れないように。
「俺も、お前もここに居るっ!抱き止めといてやる!
だから…思い切りイけっ!!」
骨が折れそうな程抱きしめられて。
その直後にマグマのように熱いモノが、ボクの中へ吐き出され、満たされて…。
ボクは、悲鳴とも、嬌声ともつかない声を張り上げた。
「うぁ、ぉあああぁあああっ!!!」
獣じみた声を挙げたのは、ボクだったのか、ウィルだったのか…。
今までにない程の快楽の大波に、全てが吹き散らされる。
「…ッ、ぃ…っ!…ぁ…は……!」
背筋を限界まで反らし、真っ白な世界の中で。
一人の女として、好きな男に、身も心も全てを捧げられた悦びに、ガクガクと躰を打ち震わせながら。
空っぽになったボクの意識は…真っ白なその中に、音もなく沈み込んでいった。
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