:XDay -2h00m "ウゴキダスジカン" 
 
 
Cross Point



 



どうも最近、近くに妙な、嫌な"重い"気配をいくつか感じる時がある。
刺々しいと言うか、敵意剥き出しと言うか。
誰かが、ボクのことを監視している?
でも、誰が?
何のために?
だが、気配が消えない以上は警戒せざるを得ず―。
もしかすると味方の中にこそ、"敵"がいるのかもしれない…そんな事、考えたくもないのだけれど。
可能性としては、残念だけど十二分に考えられた。
思い当たることが多すぎるんだ。
ガーディアンズネットワークの検索妨害に始まり、フィグヘのハッキングを目の当たりにして、疑念が核心に変わったけれど。
結局、相手が誰なのかは分からなかった。

―ボクに、過去を知られたくない人間が、複数人いる。

はっきり分かったのは、それだけだ。
妙なウドン屋を出て、一人夜道を歩きながらこれからの事を考える。
他のみんなには頼れない。
これはボクの問題であるし、どこから情報が漏れるか分からないし。
一人で行動するのは危険だけど…皆を巻き込みたくないってのもある。
とりあえずはデータのソートだ。該当記事があればよし。
無ければ−次の手を考えつつ、出たとこ勝負だろうか。

「…」

味方は、自分だけ。
無意識に、右手に装着した端末腕環を左手で握りしめ。
ボクは迷いを振り切るかのように、一つ頷いた。