ファイル3:変革/Trans
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「チャンスだぞ、リバー。これでハドレットの細胞が手に入った」 ゼンチが囁く。そういわれてみればこの死骸はクーナの説得に利用できるのかもしれない。 「ゼンチー? あの骸は使わないし使えないよ?」 そういって彼女が示したのは造龍の指先だ。 「な、何故……!?」 「ゼンチと言っても知らないことあんのね。ダーカーに模倣されたヤツはああいう風に消えるの」 いや、覚えがあった。以前に僕の模倣体を倒した時もああして消えたのだ。 「チッ……。仕方あるまい。クーナの説得は他の手段を考える必要があるようだ」 「ああ、それならだいじょぶ。いい人材が見つかったもの」 そういうチャコさんの視線の先には、笑い合う姉妹と一匹の龍がいた。
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