第二夜...「発端」
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「さてと。陽も暮れてきたし、今日はここいらでキャンプ張ろうか?」 いきなり現れた背後の気配と声に、思わず立ちすくむアム。 「よぉ、シーガル。久しぶりだな、元気にやってるか?」 ウィルの声とともに茂みから姿を表したのは、青いハンターの服装に蒼いフォトンで発光した大剣、ギガッシュを下げた青ずくめで、とどめに長めの蒼髪を遙か昔に存在したという剣豪の様にまとめた、蒼い瞳を持つ好青年だった。 「ま、ボチボチってとこか。そっちも相変わらずみたいだな、ウィル兄」 笑い合う2人に、ようやく立ちすくみから開放されたアムが口を挟んだ。 「お、言ってくれるねぇお嬢さん。俺の名前はソーマ・カムイ、銀河一の伊達おとゴっ?!」 ギガッシュの腹でソーマと呼ばれたツンツン頭のフォニュームの青年の頭をドツキつつ、シーガルは溜息をついた。 「い、いいパンチだったぜ……」 ウィルに慌てて首を横に振る二人。 「あぁ、悪い悪い。紹介がまだだったな。 慌てて頭を下げるアムにソーマの答えはやっぱり軽かった。 「……些か軽すぎるのではありませんか?」 眉をひそめて言ったイー・フリーナの言葉は、果たしてアムの心を代弁したのかどうか……。 「ま、キャンプを張る準備も終わったし。夕飯でも囲みつつ話さないか?」 ウィルの一言に、反対するものは誰もいなかった。
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