第五夜...「みんなはひとりのために」
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『ゴァアァッッ?!』
「「なっ?!」」

積層装甲すら物ともせず、少女の拳はオプトの左腕を粉々に打ち砕いていたのだ。
左腕の火器が衝撃に耐え切れず誘爆するが、ティアナには怪我一つ無い。
シーガルやソーマですら傷つけるのがやっとだったというのに、普通であれば考えられない力だ。
これが神降ろしされ、限界まで拡大したニューマンの真の力だというのか…?

『お、おのれぇぇ!!貴様も反抗するというのか、ミュー!!』
「姉さんはどこだぁっ!!返せぇっ!!!」

雄叫びをあげ、なおも殴りつけるティアナ。
その都度にオプトの外装が脱落していく。

「…チャンスっ!!」

ティアナに防戦一方となり動きの止まったオプトを見、H&S25"ジャスティス"を構えて隙をうかがっていたケイが突進する。その行動の意味に気づいたシーガルも、怒鳴りつつケイの後を追った。

「ケイさんっ!あんた1人じゃいくらなんでも無茶だ!!ソーマ、ラバータ頼むっ!!」
「おおぅっ、まかっとけ!!手加減できねぇからその積もりでな!!」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」

ドカドカドカドカドカドカッ!!!

駆け込んできたケイは、そのままの勢いでオプトの股下をスライディングしつつ発砲.。
冷却弾がオプトの行動を阻害し、更に駆動機構へダメージを与えていく。

「やっぱりかぁぁぁ!!!」

言いつつ、シーガルもケイが通りすぎた後を同じようにスライディングしつつ大剣で切りつける。
衝撃でホヴァーが致命的な機能不全を起こしたらしく、オプトの身体が大きく右に傾いた。

『ごあぁぁっ?!キ、貴様らアァぁぁぁァぁぁ!!!!』
「姉さんを…返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

「デカブツな身体が災いしたな、クソジジイッ!
 …これで終わらせてやるっ!今必殺の…ラバータっ!!!」

ガキンっ!!!

空気が軋んだ音を立てた瞬間、オプトと、それに取り付いていたティアナまでもが一気に凍りつく!!


 
 

第五夜...「みんなはひとりのために」
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