第五夜...「みんなはひとりのために」
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背部ハッチを撃ち抜いてカバーを強制排除したケイは、"オプト"の本体部分であるメイン記憶部を引っぺがしながら、やれやれと呟いた。 『…クク…ク…。 ピィィィ!!!! 辺りに警告音が流れると同時に、証明が落ち、代わりに赤色点滅灯が点滅し出した。 「っ!!、まずっ!」 慌てて手元の端末からコードをつなぎデータの吸出しを始めるが…。 「あっちゃぁ…短絡思考、ここに極まれり、かしらね…」 諦めた口調でコードを引き抜き、それを放り投げた。 『警告。緊急事態発令。 「だぁぁっ!!!、あのピ〜野郎っ!最後の最後まで性根が腐ってやがる!!!」 一斉にため息を吐く3人。 「さて。ここから脱出する為には、走って帰って5分以上掛かるわけだが…。 いつもの通り、テレパイプの起動スイッチを入れて床に放り投げるが、一瞬ゲートが展開した後力尽きたかのように立ち消えてしまった。 「ん?不良品か?それ、も一つ…」 やはり結果は同じだ。一瞬展開してもすぐに閉じてしまうテレパイプ。 「もしかして…!」 ケイが慌てて手元の端末を操作する。 「…空気中の電荷が異常に低い…?! 睡眠薬を無針注射器で首筋に注射され、ぐったりとしたティアナを背負ったシーガルと、ケイが比較的楽観的な表情をしているのに対して、ソーマは愕然としたように青い顔をしていた。 「ソーマ?」
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