「行ったか」
アムたちが無事に脱出したことを見届け、ライデンは静かに一人ごちた。
地響きが連続的に響く中、太い両足を広げて踏みしめる。
「さて、コイツの出番か」
言って圧縮パックから取り出したのは、フォトンランチャーの中でも最大の威力を有するレッドスコルピオ。
スコルピオを握った右腕一本で高々と振り上げ、固定。
目指すは天井、トリガーに力を込める。
いつもより長い充填に砲身が紫電を纏わりつかせ、高い金属音とともに光弾が発射された。
過負荷に耐え切れず、スコルピオの砲身の先端が発射と同時に割れ爆ぜる。
ライデンの脚部を支える床が、5cmほどめり込むほどのインパクト。
光弾は派手な破砕音の不協和音を奏でながら天井を破壊し、構造材をへし折り、光弾は上へ上へと突き進み…やがて突き抜ける。
「…ランチウインドウ、クリア。
ロケットモータ、3番、2番、1番セイフティロック解除」
スコルピオを投げ捨て、視線を大穴の開いた天井へと向ける。
と、同時に脚部と腰の辺りからスラスターノズルが顔を出す。
「これを使うのは初めてだが…うまく動いてくれよ…。
状況Sに伴う出力リミッター解除を確認…All Systems、OK。
予備噴射開始…推力軸安定…出力安定…カウント開始…5、4、3、2、1、0!!」
0カウントに到達した瞬間、爆発したかのように煙と、火柱とが上がる。
「根性ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!」
雄たけびを挙げ、ライデンがオレンジの炎を吹き上げて猛然と上昇、破片を弾き飛ばしつつ加速していく。
それに遅れること十数秒。プラントは轟音と共に大爆発を起こし、炎に包まれていった。
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