最終夜...「ひとりはみんなのために」
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シンデンの腕に搭載されている端末から、突然コンタクト音と共に通信が立ち上がる。 「兄者?!生きていたのか!どうしてすぐ連絡をくれない?!」 雑音混じりのライデンの声は、事態が相当に逼迫していることを示す物だった。 『…南西5km程に未確認の大型ヘリ3機編隊を確認した。IFF(敵味方判別信号)応答も無し、だ。 ライデンから送信されたデータを受信したイー・フリーナの表情が一瞬険しくなる。 「……特定完了。兵員輸送用の大型ヘリ、UHr−169"スレイプニール"です。 いつもどおりの淡々とした口調のライデン。しかし、その声が微かに上擦っているのをケイは感じ取っていた。 「とにかく、ウィル兄達に合流しないと…」 一方的に通信を切ったライデンの様子に、皆は心配の色を隠せなかった。 ☆ 「全員いるか?」 気を失ったエミーナを背中に担いだシスカと、足下のおぼつかないアムに肩を貸したアヤが大きくサムズアップする。 「本当にありがとう、3人とも」 一仕事終えた、という清々しい笑みを浮かべる若いハンターズ3人。 「最高のパーティだよ、お前さん達は」 三者三様の喜びように、彼は苦笑しようとして…… 「みんな、伏せろ!!」 大声で怒鳴り、その場に伏せた。 「?!っ」 そこはハンターズ、理由が分からないなりに身体をその場に投げ出す3人。 「なっ?!」 完全に気を失っているエミーナを庇うように座り込んでいるアムを中心として、ウィル、アヤ、シスカが円形に陣取る。 「ライデン達が追いつくまで保てばいい。それまで、頑張るんだ!!」 対して、彼らを仕留めんとするのはハンタータイプとレンジャータイプ混合のキャスト部隊。
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