ファイル1:再起動/リブート
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ちびちびやっていると海岸からは騒々しい声が聞こえてくる。 メルさんとせーれさんが砂浜に埋められていた。埋めているのがこーきさんと赤虎だ。 「よぉし、いいぞ! これで俺もボインちゃんだ!!」 叫んでいるのはメルさんだった。 「お、おう……」 死んだ目でメルさんの胸の砂を積んでいる不憫な男はこーきさん。 「ふぇぇ……。恥ずかしいんですけど……」 「へへっ、ちょっとは漢らしくなったろ?」 「たしかに男らしくなりたいって言いましたけどこれ違いますよ……」 せーれさんは黒髪褐色の少年だ。 そんな彼に砂をかけているのは赤虎。通称先輩。 赤虎はせーれさんの周りの砂を固めて大人の筋肉を形作っていた。 「これが胸筋だ。フォトンを砂にシンクロさせて、自分がそうなるというイメージをしてみろよ」 なるほど、イメトレってやつか。赤虎は砂で作ったせーれさんの胸に指を這わせている。 妙にインモラルな空間に一人のキャストが現れる。 「せーれたんは漢らしくなりたいのでありますか?」 「おっ、いいんちょう」 「ええ、そうです。それで先輩に……」 「それなら、こうであります」 現れたのはクベルタ。 つまり今はおかしい時のいいんちょうだった。 「!? それまずいですよ! 絶対まずいですって!!」 「お。なるほど、たしかにそれも男のシンボルだな!」 止めないのか赤虎。 「でも、食べ物を粗末にしちゃいけないぜ。バナナはちゃんとむいて食わねえと」 それどころか、赤虎はさらなる地雷へ踏み込んでいく。 「……! そうですね。このクベルタというものが迂闊でした。では先輩そのままムいて、食べて、どうぞ」 「ダメ! それはダメ!!」 イメージ中だったからか、余計なことを連想してしまうのだろう。大慌てなせーれさんだ。 これ以上は見ない方がいい気がした。
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