ファイル1:再起動/リブート
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「おおっと、テレポーター!」 「岩の中にいる!」 「順序が逆やな……」 ひとしきりやけっぱちな軽口を叩いたあと、顔を見合わせる。26人全員来ているようだが、皆の表情は暗い。 「なあ、俺たちテレポーターには入らないつもりじゃなかったのか? 脳みそ吸われるとかいってたが……」 「まさかあんな場所にテレポーターがあるとはな!」 オーバーなリアクションで皆の気持ちを代弁するメルさん。上様も負けじとオーバーに答えるが目がほんの少ししょげている。 「通っちゃったものは仕方ないよ。こんなところにあるテレポーターが本部と連携取ってるとは限らないし……。それに、もう後戻りはできない」 僕はそう言いながら振り返る。 「ごろーちゃんの言う通りだぜ。もう気にしてても仕方ないって! それより今はあたいこさん探そう」 オタさんが僕に同調してくれる。 「! 皆、なにかくるようじゃぞ!」 つくねが叫ぶ。 あらゆる生物、機械にはフォトンがある。それを扱えるのはアークスだけだが、生きているモノにはフォトンがあるのだ。 中心は自分。IFF:敵味方識別により、パーティの仲間は色付で明るく表示されている。近づいてくる三角の光点が敵である。 2時の方向、16体。 全員が身構え、近接連中は我先にと駆け出し、もみじさんやろんちゃんは前衛を補佐すべくタリスを投げこむ。 つくねの声を聞いた次の瞬間には、僕も戦闘形態に移っていた。 戦闘形態といっても変身したりオーラを纏う、などの変化はない。一部にはオーラを纏うクラスはあるだろうが、今の僕はそうではなかった。 視点変更。 インターフェイス変更。 それだけだ。それだけで、アークスは超人になる。
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