| |
ファイル1:再起動/リブート





フラッシュバック。
それはもう一人の僕の記憶。
紙芝居のように見せつけられるそれは確かな現実感を伴っていた。

姉を探そうとする金髪の少年が相棒だった。
記憶喪失の少女を拾い慕われていた。
頼れる赤毛の先輩が遺跡で姿を消した。
頼りないと思っていた先輩がハンターになっていた。
騒がしい双子の情報屋がいた。
フォースを嫌う青年がいて、ハンターを嫌う少女がいた。
トリガーハッピーのキャストがいた。
リリーパ族と交流を深めるキャストもいた。
力を求める壊れた男と、それに付き従う少女がいた。

記憶の中で、僕は英雄になりつつあった。

六芒均衡と出会った。
謎の仮面と戦い、ダーカーの雰囲気を纏った女と邂逅した。
龍族と交流し、実験体となった龍の話を聞いた。
今流行りのアイドルの正体を知った。

記憶の中で、多くの者と出会い、そして別れを見た。

僕は絶対令の強制力であいつを追い詰める立場ではなく。
絶対令で無数の仲間たちから追い詰められる側にいた。

だが、その記憶の中には(仮)の皆は誰一人としていなかった。

 

 

 

| |